孤独と悲恋のハードボイルドゲーム

 『Phantom』はいまでは『魔法少女まどか☆マギカ』、『Fate/Zero』などの作品で有名になった作家/シナリオライターの虚淵玄の実質的なデビュー作です。

 それだけにこの作品には虚淵のすべてが詰まっていると言ってもよく、孤独、狂気、絶望、悲恋、憂愁といったあまりにもエロゲらしくない要素が詰まっています。

 しかし、まさにそうであるからこそ、『Phantom』は今日なお名作として知られているのです。このまとめではそんな『Phantom』の内容について追ってみました。

 『Phantom』が発表されたなのはいまから十数年前のことですが、しかし、その魅力はいまなお色あせていません。

 あまりにも過酷なストーリー。そして天才的な才能を持ち合わせた孤独な主人公。ここにはのちに有名になる虚淵玄のすべてがあります。

 一応、美少女ゲームに属する作品ではありますが、これはジョン・ウー作品などに影響を受けたハードボイルドロマンです。美少女も登場するものの、中心となるのは男性主人公のアクションです。

 しかし、いわゆる「萌え」要素が薄いからといって、この作品を避けることはあまりにもったいないです。虚無感とうらはらの男の女のロマンがここにあります。

この作品のみどころ

 裸のアイン。某セイバーさんのように照れた様子も見せません。

 血の色に彩られたハードボイルド『Phantom』は多くの人の心を射抜いています。

流石としか言いようがないですね、読んでるとかなり惹き込まれる
終盤までダレる事もなく読めました、銃が好きだと終始(*´Д`)ハァハァ出来ます
アインとツヴァイの過酷な生き様に魅了されました
序盤からこのゲームは神ゲーだ!と確信出来るテンポの良さ
シナリオゲーが好きな人は是非やってください、今までプレイしなかった事を後悔します

以下ネタバレあり


まさかの記憶喪失ゲーか!と胸が踊りました
銃は毎回コルトパイソンを使用、銃声がたまらない
序盤の勢いからクリックが止まらなくなった


初プレイはアイン√を目指したのですが最後の最後でキャルに殺されちゃいました
そこからは攻略を見つつプレイしようやくクリア、初見だと中々難しい

キャルが闇堕ちした時の衝撃は忘れられない


一番好きなシーンは協会でのアインとキャルの銃を向け合ってるシーン
OPのあのシーン、鳥肌モノです
屋上での戦闘もアツい!この作品の戦闘は凄く面白い。
狙撃シーンも臨場感があり印象的、ライフルかっこいい!
 「な、何なんだこのゲームは....」と、プレイ中にそのゲームのキャッチコピーを確認したくなったのはこれが初めてです。

 「美少女ゲーム史上初の本格ハードボイルド純愛物語!!」(パッケージ裏より)

 ハードボイルドで純愛? このコピーだけ見ると胡散臭さ爆発な感じもしますが、ああなるほどと納得してしまいました。とにかくハードです。もうハードボイル度■■■■■■■■■□(星空☆ぷらねっとから借用)。

 私が好む学園ラブコメものとは全く違う雰囲気のゲームでしたが、ゴールデンウィークの丸一日を潰してまで(というか止められなかったんですが...)やった甲斐のあるゲームでした。

< ハードなシナリオと魅力的なキャラクター >

 殺人現場を目撃してしまい殺されかけたのをきっかけに、犯罪組織インフェルノに殺しの才能を見出され、暗殺者としての人生を歩まざるを得なくなった主人公の苦悩を描くハードボイルドストーリー、とういのがあらすじでしょうか。
 これに5人の魅力的なヒロインがかかわってきます。若きNo.1暗殺者・アイン、組織の上司・クロウディア、元気なみなしご・キャル、ごく普通の日本人高校生・美緒、主人公をライバル視するヒットマン・ドライです。

 私はハードボイルドの定義は良く分からないのですが、雰囲気としては、ジャン・レノ主演の映画「レオン」に近い感じがします。この映画も殺し屋が主人公で、身寄りのない少女との交流を描いたハードボイルドものです。「レオン」の方が、よりシビアな展開を見せますけどね。

 主人公は苦悩する殺し屋であり、敵も味方も常に死と隣り合わせです。そのため、敵に殺されたり、味方に裏切られたり裏切ったり、っという不幸な展開ばかり予感させられ、全編を通して緊張感、閉塞感みなぎるストーリーになっています。ですがそんな中でも、ちょっとした幸せを感じさせるシーンが所々に挿入されていて、ホッと息をつかせてくれます。

 そして5人のヒロインそれぞれも哀しい宿命を背負っており、主人公とともにストーリーを盛り上げます。ちょっと都合の良すぎる設定もあったりしますが、5人ともに魅力的なシナリオが用意されています。美緒なんて日本で普通の高校生をやっているのに、どうやってハードボイルドに絡ませていくのかと思いましたが、すんなり違和感なく物語に入り込むことができました。良く練られているなあと、十分に感じさせてくれるシナリオでした。

< 独特な塗りのCG、銃器や車はリアルな3D >

 絵で特筆すべきは、銃器や車が全てリアルな3D表現になっていることです。ちょっとやりすぎなんじゃない、と思うかもしれないですが、この銃器のリアルさが、ハードボイル度をより高めていると感じました。私は子供のころミリタリーファンだったので、こういうリアルさは大歓迎です。

 そしてイベントCGの人物も、リアルな銃器といっしょでも違和感がないようにという配慮のためか、独特な塗りで描写されています。私は上手くマッチしてると思いましたし、どれも丁寧に描かれていて好感が持てました。

 また立ち絵の方も、バリエーションが豊富に用意されていて良かったです。ですが、キャラの頭身が大きいため顔が小さくなり、表情がわかりづらいものがあったのは残念でした。

< さりげなく雰囲気を演出する音楽 >

 BGMは曲数が少なめで、強く自己主張してこない曲が多いです。ですが、場面場面の雰囲気にピッタリの曲が流れ、シナリオを盛り上げてくれます。感動的なシーンにかかる曲も良いのですが、息抜きのシーンでかかる曲もまた良いのです。

 数が少ない、と感じさせられた以外に全く不満はなかったです。

< こだわりのインターフェイスを持つシステム >

 システムでは、銃を前面に押し出した独特のインターフェイスが目を引きました。
 ゲーム中のメニューの選択は、人型のターゲットが現れ、目的のメニューが表示されている部位をクリックで「撃つ」という凝った仕掛けになっています。また、データセーブ画面では、セーブ時に使用していた銃がアイコン表示されます。システムまでハードボイルドしてました。

  ただ、そのために使いづらいと感じることもありましたし、ちょっと反応がトロいなと思うこともありました。あと、おまけのCG閲覧機能で、表示を切り替えるたびにいちいちサムネイルを作り直すのだけは勘弁してほしいです。

< やってみてほしい異色作 >

 まさに「異色の18禁ゲーム」と呼んで差し支えないのではないでしょうか。主人公が殺し屋というハードボイルドストーリーであるため、当然、露骨に「萌え」を狙ったキャラはいませんし(早苗は微妙か?)、過度なパンチラやミニスカートなども無し、コメディタッチの会話もほとんどありません。
 普通の18禁ゲームとあまりにもかけ離れた雰囲気で、Hシーンも薄めですが、そのシビアなストーリーに多くの人が惹きつけられるのではと思います。

 ただ、ここまでハードなシナリオだと、どこまでハードさを貫くかというのも問題になりそうです。これはシナリオライターの方もあとがきで書かれていたのですが、例えば、よりシビアなストーリーを見せる映画「レオン」と比べてしまえば、ご都合主義的設定や展開が目立ってしまいます。
 私的には、シナリオによってはラストがハッピーすぎるな、と感じることもありましたが、美少女ゲームの範疇に入るゲームとしては、このぐらいでちょうど良かったのではと思います。

Twitterの感想

 さらには、こんなツイートも。

 こ、幸福実現党……。いいのか? まあ、いいんだろうけれど。そういうわけで、『Phantom』はTwitterでも大人気なのです。

『Phantom』のストーリー

合衆国全土を震撼させた、マフィア幹部連続殺害事件。実行犯と目される謎の暗殺者「ファントム」は、現場に一切の物証を残さないためにその犯人像を特定できず、事件解決の目処は一向に立たずにいた。そんな中、観光で一人アメリカを訪れた日本人の少年が、とある事件を偶然目撃したために拉致されてしまう。目覚めると、目の前にアインと名乗る一人の少女がいた。少年は彼女から殺し屋となるよう告げられる。

 『Phantom』は全米を支配するなぞの犯罪組織「インフェルノ」によってすべての記憶を奪われ、殺し屋にされた少年ツヴァイの物語です。

 ツヴァイは、やがて、アイン、ドライと呼ばれる少女たちと出逢い、その殺人者としての天才を開花させていきます。

 しかし、ツヴァイにとって人殺しを続けることは決して本意ではなく、その矛盾は彼を引き裂いていきます。その人間ドラマが『Phantom』の見どころです。

『Phantom』のヒロインたち

アイン(エレン)

 可憐なおっぱいに清楚な白い下着。やっぱりアインさんは最高です。後ろから抱きしめるツヴァイさんも男前。

インフェルノのトップスナイパー・ファントムの称号を持つ少女で、攻略対象ヒロイン。与えられた指示に一切の感情を差し挟むことなく従う。サイス=マスターの命を受け、ツヴァイに暗殺者としての技術を教え込む。アインはドイツ語で”1”の意。クロウディアの謀略によりサイスが失脚したためインフェルノから狙われる。重傷を負いアジトに戻ってきたところをツヴァイに救われ、「エレン(win版では変更可能)」の名を与えられる。その後、玲二とともに組織を逃げ出そうとするも失敗し、再びサイスに囚われることになる。
後にソ連崩壊の余波を受けて混乱状態にあったモンゴルから人攫いによって中国の香港へ連れて行かれ、サイスに買われたらしいことが明らかになる。また、シナリオによっては日本では「吾妻 江漣」の名で玲二の妹として振舞う。
暗殺者として圧倒的な戦闘能力を有しているが、実は精神面は常人よりも遥かに脆弱であり、サイスの命令が無ければ自らの意志で人を殺すことが出来ないという弱点があったのだが、後に玲二を守りたいという強い想いによってその弱点を克服する。
ベストエンドでは玲二と共にモンゴルへと帰国するも手がかりはそこで完全に途絶えてしまう。しかし、モンゴル人の青年から聞かされた言葉によって自分が何者であるかに囚われる必要性の無意味さを悟り、これからをエレンとして生きることを決める。ルートによってはキャルとの二者択一で死亡してしまう事もある。
小説版では篠倉学園で起きたツァーレンシュヴェスタンとの銃撃戦を、玲二とキャルと共に潜り抜ける。
使用銃器:コルトパイソン、H&K SOCOM、オートマグ他

キャル・ディヴェンス / ドライ

 ロリロリ。いや、あきらかにこの子、18歳未満のような、それどころか12、3歳じゃないかと……いや、なんでもない。成長したあとはみごとなボディを見せてくれます。

L.A.のスラム街に住む白人の家出少女。攻略対象ヒロイン。虐待する父から逃げ出し、黒人の娼婦と「姉妹」として同居していたが、何者かによるインフェルノの麻薬取引襲撃の巻添えで死亡したため、現場を訪れたツヴァイの元に押しかけることになる。このとき、現場に残されていた取引代金の500万ドルを持ち逃げしているため、ワイズメルの目を引くことになる。ツヴァイはワイズメルから保護するため、「暗殺者見習い」として匿うが、実際に天才的な銃の才能があることが発覚し、彼を困惑させる。劣悪な環境の中でしたたかに生きてきたが、根は素直で無邪気で、保護者のツヴァイを一途に慕う。物事の性質を本能的に悟る特技がある。またハンバーガー好きの描写もある。アクション映画に目がなく、登場人物のまねをして完璧なガンアクションを行う。
後に玲二に恋心を抱くものの、サイスの陰謀によって玲二と引き離され、玲二が自分を捨てたと思い込まされてしまい、玲二に対して激しい憎悪を抱くようになる。その憎悪を糧にしてインフェルノに入り、3代目ファントム「ドライ」となる。性格は冷酷かつ凶暴となり、異常なまでの執着心をもって失踪した二人の元ファントム、玲二とエレンを付け狙う。ドライはドイツ語で”3”の意。オルゴールのついた懐中時計を持ち歩き、追い詰められた敵に決闘を申し込む。
ゲーム版ではエレンとは二者択一でどちらかが死んでしまうが、小説版では共に生き残り、ツァーレンシュヴェスタンの猛攻を玲二、エレンと共に退け、リズィと共にアメリカに帰国する。

藤枝 美緒(ふじえだ みお)

 誘拐され監禁される美緒さん。この後ひどい目にあいます。

ミッション系の学校・篠倉学園に通う生徒。攻略対象ヒロイン。しとやかで心優しく争いごとを好まないが、彼女自身も知らない出生の秘密によって予期せぬ事態に巻き込まれることになる。実は梧桐の妹(彼女自身は貿易商の叔父だと思っている)。ファントムを誘い出す餌としてドライに拉致されるも、ひるまない強さを見せ、ドライをいらだたせ、彼女に手酷い仕打ちを受ける。

クロウディア・マッキェネン

 裏切りに裏切りを重ねて生きてきた女、クロウディア。この作品のなかで最大の巨乳の持ち主でもあります。

インフェルノ幹部。若くして組織の上層部に昇りつめた美女。攻略対象ヒロイン。傘下に組織を抱える他の幹部と異なり、組織を持たない中立的な存在。穏やかな物腰とは裏腹に強大な野心を秘めている。強固な関係を築くために自分の肉体を差出すことも厭わない。かって弟ロメロの率いるギャング団に加わっていたが、ワイズメルに潰された経緯がある。リズィとはこのとき以来の関係。サイス、ワイズメルを追い落とし、梧桐組と組んで組織の実権を握ろうと図る。愛車はフェラーリ F40。
使用銃器:AMTバックアップ

エロゲの枠に収まり切らない傑作

 銃をかまえて向かい合うアインとドライ。ふたりの決闘の行く末はいかに――?

 『Phantom』はいろいろな意味でエロゲの枠には収まり切らない傑作です。エロゲとしてはあまりに異色な作品と言っていいでしょう。

 しかし、この作品の面白さはほかに類を見ないものです。たとえば『Fate/Zero』がお好きな方には絶対にお奨めできます。個人的には『Fate/Zero』より好きなくらい。

 たくさんの機種に移植されているゲームでもあるので、お好きな機種でやってください。どの機種でも基本的なストーリーは変わりません。アニメでもいいかも。

 血色の物語があなたを待っています。

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